お知らせ お知らせ
お知らせ
トップページ お知らせ

断面観察でわかること。めっき・表面処理の品質を内部から確認する方法

2026.07.31

断面観察でわかること。めっき・表面処理の品質を内部から確認する方法

XFacebook
分析・解析 故障解析

「断面観察」とは何か。なぜ表面だけ見ても不具合の原因はわからないのか。

めっき・表面処理の不具合解析において、「断面観察」は最も重要な手法のひとつです。

断面観察とは、部品やめっき皮膜を切断・研磨して断面を作製し、その内部構造をSEM(走査電子顕微鏡)や光学顕微鏡で観察することです。

不具合の多くは「表面からは見えない場所」で起きています。

  • 剥離の原因となった界面の異物
  • 膜厚が薄くなっている部位
  • 素材内部の空洞欠陥
  • クラックの起点と進行方向

これらはすべて「断面を切って初めて見える」情報です。表面だけを観察しても、原因にたどり着けないことがあります。

断面観察でわかること

1.実際の膜厚と分布

断面を直接測定することで、皮膜の実際の厚みと分布を確認できます。

蛍光X線膜厚計などの非破壊測定は「測定スポット内の平均的な膜厚」を示しますが、断面観察では「その断面での実際の厚み」を直接確認できます。複雑形状の部品では、部位によって膜厚が大きく異なることがあり、断面観察で初めてその実態がわかるケースがあります。

2.素材とめっきの界面状態

めっきが密着しているか・界面に何があるかを直接確認できます。

  • 界面が滑らかで均一 → 正常な密着
  • 界面に異物・酸化膜・空隙がある → 前処理の問題・密着不良の原因
  • 界面が不規則に乱れている → スマット・汚染の残留

剥離品の断面では「どの界面で剥離が起きたか」が一目でわかります。これが対策の方向性を決定します。

「剥離が再発する。どの界面で起きているか確認したい」

剥離品をお送りいただければ断面を作製してSEMで観察します。界面の状態から前処理・浴管理・素材のどこに問題があるかを特定します。

断面観察を依頼する

3.複数層の積層構造

下地めっき+仕上げめっきなど、複数層の積層構造を断面で確認できます。

  • 各層の厚みが設計通りか
  • 層間の密着は正常か
  • 特定の層に欠陥がないか

複合処理の品質管理において、断面観察は欠かせない手法です。

4.素材内部の欠陥

めっき・アルマイト処理が不均一になる原因が、実は素材内部にあるケースがあります。

黒坂鍍金工業所の解析事例でも、無電解ニッケルめっき後の白ムラ模様の原因が「素材内部の空洞欠陥」であることをSEM断面観察で特定した事例があります。
素材内部の欠陥が引き起こした膜厚差の解析事例(まもなく公開)

断面観察により、めっき皮膜の問題なのか素材の問題なのかを切り分けられます。

5.クラックの内部構造

クラック(割れ)の断面を観察することで、割れの起点・進行方向・深さ・界面との関係を確認できます。

「表面に割れがある」という現象から「なぜ割れたか」を解明するには、断面観察が必須です。

「クラックがどこから始まっているか確認したい」「素材まで割れが達しているか調べたい」
という方は、クラック品をお送りください。断面を作製してSEM観察を行います。

クラック解析を依頼する

6.腐食の浸入経路

腐食品の断面を観察することで、腐食がめっき皮膜のどこから浸入し、どのように素地まで達したかを確認できます。

ピンホールからの腐食・界面からの腐食・素地金属の腐食進行状況が断面で明確になり、有効な防食対策の立案につながります。

断面観察の手順

① 切断

不具合部位を含む箇所を切り出す(ダイヤモンドカッター等)

② 樹脂埋め

断面を樹脂に埋め込み、切断面を保護

③ 研磨

断面を順次細かく研磨して平滑化

④ コーティング

⑤ SEM観察

⑥ EDX分析

必要に応じて断面の成分分析

断面作製から観察まで、黒坂鍍金工業所で一貫して対応します。「切断してから送るべきか」と悩む必要はありません。現物をそのままお送りください。

断面観察が特に有効な場面

  • 剥離・密着不良:界面を直接確認し、前処理・浴管理・素材のどこが問題かを特定
  • 膜厚不足・膜厚ムラ:実際の膜厚分布を確認し、処理条件・形状との関係を解析
  • ピンホール:穴の内部構造から発生メカニズムを推定
  • クラック:割れの起点・進行方向を確認し、内部応力・変形・形状の影響を特定
  • 腐食:腐食の浸入経路・進行状況を確認

黒坂鍍金工業所にご相談ください

黒坂鍍金工業所では、断面試料の作製からSEM観察・EDX分析・報告書の作成まで一貫して対応しています。

「どこを切ればいいかわからない」「現物を加工したくない」という場合でも、ご要望に合わせた試料作製方法をご提案します。

現物をそのままお送りください。他社加工品の断面観察・解析にも対応しています。

断面観察・SEM解析を依頼する

NEWS&SNS一覧に戻る
試作品や、1個からでも対応いたします
図面や仕様が固まっていないものや、量産前の検証や性能確認、処理選定のご相談も歓迎します。
お問い合わせはこちら