亜鉛めっき処理
亜鉛めっき処理とは
亜鉛めっき処理は、母材表面に亜鉛皮膜を析出させることにより、鉄製品の防食に極めて効果的な処理です。コストが安価で量産性に優れるため、ボルトや建築資材、自動車部品など多くの分野で採用されています。
亜鉛めっき処理の反応式
| 陽極側 | 陰極側 |
|---|---|
| Zn → Zn²⁺ + 2e⁻ | Zn²⁺ + 2e⁻ → Zn |
亜鉛めっき処理の特徴
亜鉛めっきは、鉄よりも電気化学的に貴な金属である亜鉛が先に酸化することで、鉄を腐食から保護する犠牲防食作用を持ちます。また、被膜は加工性に優れ塗装との親和性も高いため、二次加工にも適しています。また、防錆機能を高めるため、後処理にクロメート処理を行い耐食性や外観のバリエーションを持たせることができます。
亜鉛めっき処理の種類
亜鉛めっきは、鉄や鋼材の防錆を目的とした代表的な表面処理で、犠牲防食作用により母材の赤錆発生を防ぎます。処理方法には電気亜鉛めっき・溶融亜鉛めっき・合金化溶融亜鉛めっき、機械亜鉛めっき・熱拡散亜鉛めっきなどがあり・それぞれ膜厚や耐食性外観、適用部品のサイズ、形状などに特徴があります。用途は、自動車部品・建築構造物・家電・ボルトやナットなど多岐にわたります。
| 種類 | 特徴 | 用途例 |
|---|---|---|
| 電気亜鉛めっき | 電解法で亜鉛を析出させ、比較的薄膜(5~25µm)で均一な被膜が得られる。表面外観が良く、クロメート処理などの後処理との組み合わせで耐食性向上。 | ・自動車部品 ・家電筐体 ・建材部品 |
| 溶融亜鉛めっき (溶融亜鉛めっき鋼板含む) |
鋼材を溶融亜鉛槽に浸漬し厚膜(50µm以上)の被膜を形成。犠牲防食作用が強く、屋外耐久性に優れる。 | ・建築構造物 ・送電鉄塔 ・防護柵 |
| 合金化溶融亜鉛めっき (ガルバニール) |
溶融亜鉛めっき後に加熱し、鉄と亜鉛の合金化層を形成。塗装下地として優れた密着性を持つ。 | ・自動車ボディ ・家電外装パネル |
| 機械亜鉛めっき | 金属粉末と助剤をバレル内で機械的に衝突させて付着させる方法。低温処理のため、熱影響が少ない。 | ・小型ボルト ・ナット ・ばね部品 |
| 熱拡散亜鉛めっき (シェルバウジング) |
高温で亜鉛紛と鋼材を反応させ、密着性・耐摩耗性の高い合金層を形成。 | ・ねじ ・耐摩耗機械部品 |
亜鉛めっき処理のメリット・デメリット
| メリット | 亜鉛めっきは犠牲防食作用により鉄や鋼材の赤錆発生を防ぎ、長期的な耐食性を確保できます。比較的低コストで大量生産に適し、膜厚や外観の調整、各種後処理との組み合わせにより幅広い用途に対応可能。 |
|---|---|
| デメリット | 屋外や高温多湿環境では白錆や腐食が進行しやすく、長期耐久性に限界があります。装飾性や高い伝導性を必要とする用途には不向きで、大型構造物や複雑形状では膜厚の均一性確保に課題があります。 |
亜鉛めっき処理の被膜特性
表面に形成される亜鉛層は犠牲防食作用を持ち、鉄が酸化する前に亜鉛が優先的に腐食することで素材を保護します。さらに、クロメートや三価クロム処理などの後処理と組み合わせることで、耐食性や外観性を向上させることが可能です。コストが比較的低く、量産性にも優れるため、自動車部品・建築資材・電機製品など多様な分野で採用されています。
| 特性 | 内容 |
|---|---|
| 構造 | 鉄鋼素材表面に亜鉛層を析出させた単層または後処理による複合層構造。犠牲防食作用を持つ。 |
| 硬度 | ビッカース硬度約70~110HVで比較的柔らかく、成形性に優れる。 |
| 耐食性 | 犠牲防食作用により、鉄を保護し、白錆発生までの時間を延長。後処理で耐食性向上が可能。 | 膜厚 | 通常5~25μmで用途や規格により調整が可能。 |
| 耐熱性 | 約200℃程度まで性能を保持するが、高温では酸化が進行しやすい。 |
| 耐薬品性 | 中性環境で安定だが、酸性や強アルカリ条件では溶解が進行しやすい。 |
| 密着性 | 適切な前処理で鉄鋼素材に高い密着性を発揮します。 |
| 摩擦係数 | 比較的低く、ボルトやナットなどの締結部品に適する。 |
| 見た目 | 銀白色で、クロメート処理により光沢や色調を変えることが可能。 |
亜鉛めっき処理の最大処理サイズ
| 最大寸法 | 別途ご相談ください |
|---|---|
| 重量 | 別途ご相談ください |
亜鉛めっき処理と材質の関係性
亜鉛めっきは材質ごとの特性に応じて前処理や膜厚を調整することで、建築資材・自動車部品・産業機器など多様な用途で高い耐久性とコスト効率を実現します。
| 材質 | 適用性・特徴 |
|---|---|
| 鉄 | 亜鉛めっきの最も一般的な材質。犠牲防食作用により赤錆を防止し、低コストで量産性に適しています。建材、車両部品などに多用されます。 |
| 鋼材 | 鉄鋼材全般を対象に適用可能です。高強度や成形性を活かしつつ、めっきで長期耐久性を付与できます。建築構造物や機械部品に多用されます。 |
| 炭素鋼 | 鉄と同様に高い防錆効果を発揮。強度や成形性を保ちながら長期耐久性を付与できます。 |
| 合金鋼 | 硬度や成分により、前処理条件が異なります。熱処理後の性能保持を考慮する必要があります。 | 亜鉛めっき鋼板(二次処理) | 既存めっきの補修や防錆強化に有効。クロメートや塗装との組み合わせが容易で、追加防食機能を付与できます。 |
亜鉛めっき処理の用途・事例
ボルト
シャーシ
建材
表面処理や鍍金加工に限らず、実現したいことや困りごと、どんなことでも相談してください。
試作品や、1点のみのご依頼にも柔軟に対応いたします。