不具合解析とは何か?めっき・表面処理トラブルの原因を特定するプロセス
「なぜ不具合が起きたか」を明らかにする技術
不具合解析とは、製品や部品に生じた不具合(剥離・変色・腐食・ピンホール・密着不良など)の原因を科学的に特定するプロセスです。
原因を特定しないまま対策を打っても、再発を防ぐことはできません。製造現場でよくある失敗パターンがあります。
- 原因不明のまま「念のため洗浄を強化した」→ 効果なく再発
- 「処理業者を変えた」→ 同じ不具合が出る
- 「素材ロットを変えた」→ しばらくしてまた発生
これらはすべて「原因を特定せずに対策を打った」ために起きます。不具合解析で原因を正確に特定すれば、本当に有効な対策だけを実施でき、再発リスクを根拠をもって説明できます。
「原因がわからないまま対策を続けている」 原因の特定から始めましょう。現物をお送りいただければ調査を開始します。不具合解析を依頼する→
不具合解析の主な手順
ステップ1:情報収集・現状確認

不具合の発生状況(いつ・どこで・どのくらいの頻度で)、素材・処理の仕様、製造条件の変化を把握します。情報が多いほど解析の精度と速度が上がります。
ステップ2:外観観察・マクロ観察

不具合品の外観を目視・光学顕微鏡で観察します。不具合の発生位置・分布パターン・正常部との境界が、原因の絞り込みに重要な手がかりになります。
ステップ3:断面観察・SEM解析

外観だけではわからない内部構造を、断面観察・SEM(走査電子顕微鏡)で確認します。「どこで・どのように不具合が起きているか」を直接見ることができます。
ステップ4:成分分析(EDX・蛍光X線)

不具合部位に何が存在するかを元素分析で確認します。汚染物質の特定・合金成分の分布確認・皮膜成分の異常検出ができます。
ステップ5:原因特定と対策立案
解析結果をもとに不具合の根本原因を特定します。「表面の直接原因」だけでなく「なぜその条件になったか」まで掘り下げることが重要です。
「SEM・EDX分析を外注したい」「取引先に提出する解析レポートが必要」 解析結果は報告書としてまとめてご提供します。解析レポートを依頼する →
黒坂鍍金工業所の解析事例
黒坂鍍金工業所では、以下のような不具合解析を実際に行っています。
事例1:無電解ニッケルめっき後の白点模様 円筒形部品に発生した白点模様をSEM解析。めっき皮膜のピンホールが原因と特定し、攪拌条件・安定剤濃度の見直しで解消。 →詳しい解析事例を見る
事例2:アルマイト後の白点模様 端部R形状に発生した白点をSEM断面観察。形状由来の内部応力による皮膜クラックと判明。処理条件ではなく加工形状の改善で解消。 →詳しい解析事例を見る
事例3:無電解ニッケルめっき後の白ムラ模様 白ムラ部と正常部の膜厚差(4.84μm vs 6.42μm)をDMS測定で確認。SEM断面観察で素材内部の空洞欠陥を発見。処理工程ではなく素材品質の問題と特定。→詳しい解析事例を見る
不具合解析で使われる主な分析手法
| 手法 | 確認できること |
|---|---|
| 光学顕微鏡観察 | 外観・表面形状・分布パターン |
| SEM(走査電子顕微鏡) | 断面構造・微細形状・界面状態 |
| EDX(エネルギー分散型X線分析) | 元素成分の分布・汚染物質の特定 |
| デジタルマイクロスコープ | 膜厚の測定・分布把握 |
| 蛍光X線膜厚計 | 膜厚の非破壊測定 |
黒坂鍍金工業所にご相談ください
黒坂鍍金工業所では、SEM・EDX・蛍光X線膜厚計などの分析設備を自社で保有し、表面処理・めっき加工の不具合解析を行っています。
- めっき剥離・密着不良・ピンホール・変色・腐食の原因調査
- 他社加工品の不具合解析
- 取引先へ提出する解析レポートの作成
- 社内では原因特定できなかった再発トラブルの解析
「原因がわからない」という状況から、現物をお送りください。
投稿者
株式会社黒坂鍍金工業所
1948年創業。コンピューター、HDD、半導体、自動車部品など、日本の製造業を支える表面処理、めっき加工を専門。
品質技術部として、分析解析室を持ち、実証に基づく品質改善を行っています。

