アルマイトの膜厚はどのくらいで指定できますか?
寸法精度が要求される部品を設計するとき、表面処理による寸法変化は必ず考慮しなければなりません。アルマイト処理では膜厚が直接寸法に影響するため、「どのくらいの膜厚になるのか」「膜厚は指定できるのか」という確認は設計段階で必要です。
標準的な膜厚の範囲
普通アルマイト(装飾・防食目的)の一般的な膜厚は、5〜25μmの範囲です。用途に応じて以下が目安になります。
| 用途 | 膜厚の目安 |
| 装飾・軽防食 | 5〜10μm |
| 一般防食 | 10〜15μm |
| 耐食性重視 | 15〜25μm |
硬質アルマイトの場合は25〜100μmの範囲で処理が可能です。耐摩耗・高硬度が求められる用途(金型・治具・機械部品など)に適用されます。
アルマイトは「素材の表面から成長する」
アルマイト皮膜は外側に積層されるのではなく、アルミニウム素材が酸化されて皮膜に変わります。皮膜の約半分は素材内側に成長し、残り半分が外側に成長します。
つまり、膜厚10μmのアルマイトをかけると、外寸は片側あたり約5μm増加します(両面で約10μm)。精密部品では、この寸法変化を図面設計の段階で織り込む必要があります。
膜厚の指定と管理
図面に膜厚を指定する場合は、「陽極酸化皮膜 10μm以上」のように記載するのが一般的です。JIS規格(JIS H 8601)に基づく膜厚区分を参照して指定することもできます。
膜厚の測定は渦電流式膜厚計で管理しており、検査成績書の発行にも対応しています。
膜厚を厚くすると何が変わるか
膜厚が厚くなるほど耐食性・耐摩耗性は向上しますが、以下の点に注意が必要です。
- 処理時間・コストが増加する
- 硬質アルマイトでは皮膜が硬くなる分、脆さも増す
- 内径・穴径など内側の寸法に影響が出やすい
用途と要求性能に応じた適切な膜厚のご提案も行っています。
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