アルマイトの耐食性はどのくらいですか?
屋外設置の部品や海塩粒子が飛来する環境での使用など、耐食性が重要な用途でアルマイトを選ぶ場合、どの程度の性能が期待できるかを事前に把握しておくことが必要です。
アルマイトの耐食性の仕組み
アルマイト(陽極酸化皮膜)はアルミニウムの表面に緻密な酸化膜を形成します。この皮膜がバリアとなり、腐食の原因となる水分・酸素・塩分の素地アルミへの到達を遅らせます。
さらに封孔処理(皮膜の微細な孔を塞ぐ処理)を施すことで、皮膜の緻密性が高まり、耐食性が大幅に向上します。
塩水噴霧試験(SST)による目安
表面処理の耐食性評価には、JIS Z 2371に基づく塩水噴霧試験(SST)がよく用いられます。
| 処理条件 | 塩水噴霧試験の目安 |
|---|---|
| アルマイト(封孔なし) | 数十時間程度 |
| アルマイト(封孔あり) | 500〜1,000時間以上 |
| 硬質アルマイト(封孔あり) | 1,000時間以上(膜厚による) |
※上記はあくまでも目安であり、素材合金・膜厚・使用環境によって異なります。
耐食性に影響する要因
膜厚
膜厚が厚いほど耐食性は向上します。耐食目的の場合は15μm以上が推奨されます。
封孔処理
封孔処理の有無が耐食性に大きく影響します。熱水封孔・酢酸ニッケル封孔など複数の方法があり、用途によって選択します。
合金の種類
1000系・5000系・6000系は皮膜が安定し、耐食性も良好です。2000系・7000系は皮膜の均一性が低下しやすく、耐食性能も安定しにくい場合があります。
使用環境
塩害地域・薬品環境・高湿度環境などでは、より厚い膜厚と適切な封孔処理が必要です。
無処理アルミとの比較
アルミニウムは素地のままでも自然酸化膜(数nm程度)が形成されるため、一定の耐食性を持っています。
しかしアルマイト処理によって皮膜が数μm〜数十μmに強化されるため、無処理と比較すると耐食性は大幅に向上します。
特に沿岸部や化学薬品が飛散する環境では、アルマイト処理による防食効果が有効です。
限界と注意事項
アルマイトは耐アルカリ性が低い点に注意が必要です。強アルカリ溶液(洗剤・コンクリートなど)に長期間さらされると皮膜が溶解します。また、傷が入ると腐食の起点となりやすいため、使用中の傷防止も重要です。
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お問い合わせ
使用環境・要求耐食性の条件をお伝えいただければ、適切な処理仕様(膜厚・封孔方法)をご提案します。

